ラフォレ・マリー 有機栽培 マリーさん

    Auto-Fertile-garden 自動的に産み育む肥沃な庭・・・上手な日本語訳求む!

 

 

子どもの時に飽かず眺めた「サラ・ミッダ」の農園のイラスト。畑がまるでイングリッシュガーデンのよう・・・。日本の畑の様子とは何か違うなあ、と憧れていました。

 

その畑に実際に訪れることが出来るなんて、夢にも思いませんでした。しかも大分の庄内の阿蘇野で。

 

マリーさんはフランス語圏のカナダ出身です。約7年前にご結婚されて今旦那さんのご両親と一緒に農業をされています。

 

農園にお訪ねした際に、NPO法人おおいた有機農業研究会作成の「おおいたの有機農業者マップ」をお土産に渡すと「こんなに仲間がいっぱい近くにいたのね!私ずっと孤独だったわ。嬉しい。」と喜んでくれました。

 

 


マリーさんの田んぼ。

無農薬・無化学肥料の栽培で作られました。

旦那様のご両親はずっとコツコツと真面目に農業をされていますが、除草剤・農薬・化学肥料使う使わないで結構マリーさんとは意見が分かれていたそうです。でもここ数年は任される農地が増えてきて、2010年からは有機農法のお米作り、2013年はパーマカルチャーの農法を初めています。

 

男池は私が大好きな場所ですが、マリーさんも農作業に疲れた昼間、休憩は男池に行っていたそうです。

「このあたりの水は男池からの水。水と空気はとても美味しいです。」

 

 


一番上の田んぼがマリーさんの田んぼです。

なるべく周辺の影響が少ないように・・・。

でも、日本に来た時は気管支炎になってとても苦しかったそうです。あまりにも苦しいのでもうあちらに帰ろうと思ったとか。

カナダでは森林の専門家。公園のガイドをしていてもともと空気のきれいなところで過ごしていたのです。

そんな時にインドのアーユルベータの専門家(大分にいるらしい!)の施術を受けたところ、あるアロマオイルの香を嗅いだ時に一瞬で肺に空気がかようのが分かったそうです。(*アーユルベータの施術をされているのは永田真弓さんというご友人)

「このハーブさえあれば日本でも生きていける」と早速友人からタネを5粒頂いて育ててみたそうです。

それがホーリーバジル。今はマリーさんの農園に群生しています。それから作ったハーブティーもおいしい。

他のお茶ともブレンドして使うことが出来る、優しい味わいになるホーリーバジルです。

 

 

5粒から始まったホーリーバジル。

今は群生しています。

農園に案内して頂きました。

まず、ご両親から受け継がれた農地。広くて、大きなビニールハウスの中にはレタスやバジルが。

バジルは積極的に出荷しているそうです。

 

 

 

給水の設備なども行き届いています。

「でも、自然の環境ではない・・・」と

マリーさん。

露地栽培が基本にしたいそうです。

 

温室広いのです・・・。

手動で窓を開けています。

夏の名残のようなトウモロコシもまだ沢山ありましたが、虫が発生していました。

「大事な実を食べてしまう。困った虫なのよ。でもビニールハウスは虫が発生しやすい」出来れば将来的には使いたくない。」

赤いゴム引きの手袋でうごめく虫をつまんで長靴でつぶす、という作業を繰り返すマリーさん。

 

有機農業「作業が多い」という一部を目の当りにしました。毛虫類は苦手ですが慣れると平気になるのかもしれないです。

 

トウモロコシです。

もう時期は終わり。虫にとっても実は好物で追いかけっこで

収穫するそうです。

 

結構インパクトのある大きさの虫。

豪快に踏み潰して退治です・・・。

今年は大きくカボチャが実ったそうです。昨年行った竹田のお祭りでカボチャの種をもらって育てたものです。

今年のカボチャのお祭りの品評会に出展してみようか、と楽しみにされていましたが、今年の猛暑でカボチャは草の中に埋まっていました。追いつかないくらい大変だったそうです。

 

 

 

 

草の中のカボチャ。宝さがしのようでしたが

マリーさんのもっと手を掛けたかった、という感じが

伝わってきました。

 

 

 

 

マリーさんの畑のファッション。

パンツは織に艶がある独特の生地。

赤い手袋とマッチしていました。

 

よく見るとパンツには「民芸調」とタグが。

民芸調にならないセンスが不思議だよなあ・・・。

とにかく広かったのですがお家の山側の畑には果樹の木も沢山。栗・柿・梅・ブルーベリー・・・。

ブルーベリーは数多く実っていましたが、蜂が果実を噛むとかでキズが付くのでネットを掛けていました。

「本当はこういうのを掛けたくないんだけど・・・」

 

 

 

結構幻想的ですが・・・。

 

一粒づつ観察するマリーさん。

その隣はビニールハウス、その隣にはまた畝があって草の中にイチゴが!

いつもビニールハウスの中でしか見たことなかったので、新鮮でした。のらイチゴ、という結構野性味あふれる様子のイチゴでしたが、ちゃんと実がなったらしいです。のらイチゴ食べてみたいと思いました。

 

 

野生のイチゴ、葉がたくましいです。

ビニールハウスからもはみ出していました。

 

 

 

 


白い花がニラです。

軒端と樹齢300年の欅の間につるされたハンモック。星を見ながら眠るこことも。

涼しい風が吹いていました。

 

 

絵本みたいです・・・。

パーマカルチャーとはパーマネント(永久的・持続的な)+アグリカルチャー(農業)を合わせた言葉です。

農業だけでなくいろんな分野についても提案されている考え方です。

地球の健全な環境が人間の体の健康にもつながる、と考えて環境保全型の農業をさすこともあるそうです。

 

マリーさんがチャレンジしているのはそういう考えに基づいたもの。

お寺に隣接する小さなエリアで今年の3月、その農園を具体化させました。

それが「Auto-Fertile-Garden 」直訳すると自動的に産み育む肥沃な庭、という表現になるかも。

 

 

庭の設計が始まりました。

 

 

 

ガーデンが出来る途中です。

絵のような・・・。

本当に素敵な庭でした。サラ・ミッダの絵本そっくり!

畑が庭風にデザインされていて見飽きないほど素敵でした。まるで箱庭のよう・・・。

 

草ぼうぼうの場所を開墾して、デザインして種を蒔いたそうです。

普通の畑は畝の方向が均一ですが、ここは違います。畝は1~2列で短い。ミニトマトを竹の小さなトンネルにはわせてあって、そびえるひまわりを中軸にしてつる性のキュウリが回りを這っていたり、サトイモの大きな茎が力強く育っていたり、スイカが思わぬところに転がってびっくりしたり。菊芋も花が咲いているのを初めて見ました。

本当に菊なのね・・・4メーター近いけど。

 

ホーリーバジル・ジャガイモ・サトイモ・菊芋・ロシアンケール・トマト・スイカ・キュウリ・ディル・花オクラ・ニラ・アスパラガス

マリーゴールド・ナスタチューム・ラベンダー・ネギ・そば・・・などなど。

 

 

 

 

多種多品目の様子です。


手前はアスパラガス、

奥が花オクラです。

 

 

強いハーブ、マリーゴールド。

 

高く、中心になるもの。

その周りにつる性のもの。

 

この配置も基本だそうです。

 

ミニトマトのトンネル。

リヨンちゃん(マリーさんの愛犬)も出はいり。

涼しそう。

デザインは自然の法則に基づいて行われるそうです。(東洋で言われる風水、木火土金水のような)

いろんな知恵が詰まっている畑です。南側には背の高い植物を植えずに影を作らないとか、植える配置も畑の外側を囲むように虫よけのために強いマリーゴールドのようなハーブやジャガイモを植えて自然のフェンスを作ります。

植える順番も大根スイカサトイモと連続しても無理がない順番で収穫がやってくるように設計しています。

畝の土が流れないように、カーペット状に広がるようなハーブを植える。

 

 

 


種かこぼれてそのまま芽吹いているのが

感動です・・・。

 

いきいきしています。

自動的の育む庭。

そして一度植えてしまったら、時々上から肥料をそっとかぶせるくらい、種をそっと撒くくらい、それと収穫くらいで全てが自動的に動き出す畑が始まります。

 

本当に自動的だと分かるのが、ホーリーバジル。土にこぼれた種がもう隣で芽吹いている!

 

 

 

 

畑のデザインがわかるでしょうか?

土がとても大事なポイントで、腐葉土と鶏糞もしくは牛糞、米糠を混ぜたものを肥料として畝が出来たらその上から竹チップを掛けて土の保護をしておきます。畝が出来てからは絶対に耕さないそうです。収穫する際にも掘り起こさないようにそっと。

土を固くしないように注意しているそうです。

 

 それなのに、やらかす私。畝の一部を踏んだ時のマリーさんの悲しそうな声。それにも拘わらず「私がちゃん言っとけばよかったわね。ごめんなさい」とフォローしてくれましたが、どれだけ最新の注意を払って繊細な仕事を

されているのかわかりました。本当にすいません。繊細なものを破壊してしまう傾向にあることを認識しておきます。

 

 1年に1回しか勝負出来ない「農」の現場、とても神聖なものだと改めて思いました。

 

 

マリーさんの大事な堆肥です。

発酵していて温かい。

 

 

多品目!

スイカと里芋。

自然に産み育つ、豊かな庭。

でも「やっぱりキュウリの主軸はひまわりでなかったほうがよかったと思う。キュウリ重たいし。来年は違うものにします。」

とか、試行錯誤の最中ではあるそうです。

1アール(10×10メートル)くらいの広さに季節問わずに次から次へと食物が出来て、あふれる。

トラクターもいらないし(入れないデザイン設計)、耕さない、かけるだけ。

 

 

 

 

ガーデンです。

 

これから家庭菜園をやってみたい人にとっては、とてもいいモデルかも!と思いました。

 

自分の食べるものは自分で作る時代がもうそこまで来ている気がします。耕して、種を購入して、という重労働やコストをあまり考えずに出来るのでは。歳をとっても非力でも最初さえクリアできればなんとかなるかも・・・!と思わせる魅力がありました。

 

 

 

私がやるならこれだ、とちょっと思いましたが最初の設計は頭を使うなあ・・・と。それを楽しめたら本当のガーデナー。

マリーさんの畑はとても美しかった。眺める楽しみも満たしてくれる庭です。

同時に自然のありようそのままがこんなに魅力的だなんて。ものすごい種類の植物の良さを引き出しながらバランスを保っている、と神秘的な気持ちにもなりました。

 

 

ラベンダーも。

私の写真では伝えきれません。

料理がとても上手な旦那さんが作ってくれた団子汁と玄米ご飯をしっかり頂いてしまいました。

花オクラも初めて食べました。初めての食感です。お出汁は椎茸でしたが優しい味でした。

 

 

 

 

花オクラ、オクラと同じ食感でねばねばします。

面白いです。もちろん自家製。

 

 

団子汁と玄米ご飯と赤かぶを頂きました。

団子汁の団子は旦那さんが前の晩からこねておいた自家製。

 

私も伸ばすのをお手伝い・・・床に落とすこと2回。

料理の才能ない様子。

 

マリーさんの旦那さん、工藤さん。

由布岳の上の出会いだったとか。

 

マリーさんは

「ジュンさんは本当にすごい、何でも作れるし

とてもアイデアが豊富な人なの!」

尊敬されている様子でした。

 

いいなあ。

「やっと天職に巡り会えたの。農業は私の大事な仕事。」

カナダのオーガニックマーケットはとてもとても楽しいところだったそうです。毎週1回実施です。

もちろん日常のマーケットになっています。大分でもいつかそういうことが出来たら。マリーさんは力になるよ、と言ってくださいました。とても励まされました。

 

 

 

ハーブの商品展開も考えられています。

マリーさんの Auto-Fertile-garden。新しい文化がもたらされたと思います。

大分でそんな素敵な食べられる庭園があちこちで見られるようになったら楽しいと思いました。

ダライ・ラマの庭出身といわれるホーリーバジル。マーケットには沢山抱えてきてくださいます。

マリーさんの農園で「種をまく、種を次に伝えること」を改めて意識しました。

神聖なバジル、大分でも広がるかもしれないですね。

 

 

明るい日でした。

迫力あるひまわりです。