Alycia キッチン&カフェ 永山智美さん

私はAlyciaさんの料理が好きです。

 

焼きナスのポタージュに始まり、野菜のケーク・サレ、赤米入り玄米ご飯、フレッシュサラダ、車麩と新玉ねぎのマリネ

豆腐のガトーショコラ、オーガニックコーヒーか紅茶。

 

これがとある日のAlyciaさんの日替わりのランチメニューです。

 

 肉・魚・乳製品・化学調味料不使用で作られています。

調味料は伝統製法で作られた味噌・醤油、天然塩。自家製塩糀、甘糀。各種スパイス。

 

焼きナスのポタージュ。

このほんの少しのスパイスがすごい。

焼きナスのポタージュにはピンクペッパーが添えられていましたが、そのひとつまみが効いていること!

焼きナスの香ばしさが上品になり、ピンクペッパーの余韻が甘いものだと初めて知りました。

 

ケーク・サレは甘くない、おかずになるケーキですが、テリーヌのようにお野菜が重ねて挟んであって綺麗・・・とうっとりしました。頂くとしっかりボリュームがある感じ。各層の食感が違うのでとても楽しいです。

 

 

 

    ボリュームあります。

    甘くない、塩味のケーキ。

    お野菜を全部混ぜて焼いて

    いないのが新鮮です!

    

車麩と新玉ねぎのマリネは車麩がしっかり揚げてあって、新玉ねぎ甘さで酸味がとがっておらずこの一品で満ち足りるような味わい。

 

フレッシュサラダは本当にフレッシュで生の「葉」の生命力をそのまま頂く気分になりました。

添えられてあったドレッシングも野菜の味を邪魔しない脇役です。

 

赤米いり玄米ご飯は柔らかく、優しい味がしました。

玄米を美味しく炊くのは実はとても難しいと思っています。固すぎたり、水分が多すぎたり。

 

 

 

車麩と新玉ねぎのマリネ。

パプリカの甘さも際立っていました。

最後はお楽しみのデザートで豆腐のガトーショコラ。

お砂糖も一切使わずにこの濃い味。オーガニックの紅茶でおしまいです。

 

 

 

 赤米いり玄米ご飯です。

 柔らかくて、塩味がほんのり感じられます。

ドラマチックな一皿だと思います。盛りだくさんで、華やかで、でも余韻が残るような優しい感じ。

この日は梅雨の合間の晴れたひと時。連日の雨が止んで結構濃い日差しがさしていました。

 

「本当は肌寒い日が続いたからグラタンをしようと思っていたの。でも暑くなりそうだったので急遽、ケーク・サレを焼いて・・・ちょっとバタバタと大変でした。でも、天候や気温によって食べたいものも変わっていくのが当然だと思うので。できるだけそういう自然に合わせたいと思います。」

 

 

        フレッシュサラダ。

        このドレッシングが!

お野菜は出来るだけ県内の有機農家の方のものを。青井農園さん、エンジェルグリーンファームさん、七つ森農園さん、わんねす・べじたぶるさんなど。大事に作られている農産物を大事に料理されています。

以前、青井農園の青井さんが、いたく感動されていたのが、春菊で作ったバジルペーストならぬ、春菊ペースト。

自分たちの作ったものが思いもよらない方法でもっともっと美味しくなっていたのがうれしかったそうです。

 

 

 

スコーンです。

チョコチップ入り、

プレーンも。

エスプレッソ味も美味しいです。

 

テイクアウトのスコーンやパンも、乳製品を使用せずに作られています。

そもそも、バターと粉のお菓子であるスコーンを乳製品なしで作るというのがすごいと思います。

息子がアトピーの時に、Alyciaさんのスコーンやパンにもとてもお世話になりました。

 散歩に行って、少しだけおやつを近くの公園のベンチで頂くというのが定番でした。

 

 

クルミとレーズンが絶妙です。

生地も粉の味がちゃんとします。

レーズンの天然酵母パンです。

Alyciaさん、永山智美さんは大分の出身ではありません。でもまさしく縁あって大分に来られた方だと思います。

ご家族で移住されて来て、豊後大野の清川で過ごされて、今はおひとりでお二人のお子さんを育てられています。

 大分市内に引っ越されてからはいろんなところでばったり会うようになって、女性らしい、柔らかい、たおやかさと、色っぽさがあって素敵な方だな~といつもうっとりしていました。いつも目を見て話して下さって、目がそらせない、眼差しがなんて印象的な方なんだろう、と思っていたら私が見とれていたのか、と先日気が付きました。

 永山さんにお会いした直後は、女性らしいって大事だな、と「もう自転車の立ちこぎはやめよう。」と毎回決意

しています。

 

 今のお店の形態になるまでは、清川で毎日朝3時に起きて仕込みをして緒方でパンを仕入れて運んでいたそうです。

「よく続いたと思いますが、これ以上は無理だった。今の形態に変えて全てお店で作るようにしました。」

それからいろんな出会いがあって、「どうやって生きて行こうか、どうしたらいいかわからない」状態から

「あ、私はこの道を歩いていけば大丈夫。」と思えるようになったそうです。

 

 

 

 

  「本日の」のメニュー

  一期一会のメニューかも

お店は大分市内の繁華街のど真ん中です。そこの家賃も払ってアルバイトの方の給与も出して、自分の住居の家賃も、となると本当にお店を経営していくというのは大変なことです。

 

 「でもまず、経営していく上で一番大事なのは何のためにあるお店なのか、ということ。きちんと利益を上げるのも大事だけど、利益を第一に考えるとそういうコンセプトがずれて行ってしまう。」

 

 

    

明るくてかわいいインテリアの店内です。

おうちに遊びに来たみたいです。

 「私がお店を通じてやりたいこと、伝えたいことは食を大事にしてほしいということです。もっと食事に関心をもってもらえたら。お腹にたまればそれでいい、という食事ではなく、食べたもので体が作られるということを考えた食事です。大きなことはできないですが・・・。特に子どもを宿して、産み、育てるという命をつなぐという時にとてつもなく大きな影響があると思います。それは女性だけでなく男性も。」

 

私が出会った農家の方はほとんどの方が「命をつなぐ仕事はとても大事。それをできるだけ手助けしたい。」と言われる方が多かったです。そういう意識を共有して農産物を作る方と料理が結びついているのがAlyciaさんです。

 

 

個人的にはこの方がツボ・・・。

「食事で精神的な意識が変わることもあると思います。心と体を健やかにするために、食事の「質」について

選択することはとても大事です。」

 

 そういうことをまず念頭に置いて経営して行こう、と決めているそうです。

そうしたら売上の低い月も怖くなくなったとか。

 

 「自分の役割はこう、と決まったら何も怖くない。どんなに大変かなことでもきっと乗り越えていけるよ。」といつも励まして下さる農家の方がいます。

永山さんもきっと役割を見つけられた方なんだとお話をお聞きしながら思いました。

 

でもその役割が何か発見するまでは、結構つらい時期が長い気がします。

生きるヒントが、見つかるような手助けになるワークショップ、いろんな役割を持った人が、よくAlyciaさんの店内でイベントをされています。バラエティに富んだ相当面白いラインナップです。

サウンドヨガのワークショップ、詩人の朗読会ライブ、画家の作品展など・・・。

 いろんな方と繋がって、永山さんが何か役に立ちたいと願っている、そんな心が現れているような場所を作られています。

 

 

 

 

大きく開いたまどからの眺め。

次々とお客様が入ってこられます。

 

席が満席の時に

「お席が空いたらご連絡します。

でもそれまでに他のお店に入られて

いてもいいですよ。」

スタッフの方の接客が印象的でした。

 

 

今の80代の方を見ていると本当に丈夫です。体の基礎体力がある感じです。子ども時代の食べ物がその後の

か人生を変えるかも、と思って子どもだけには選んで選んでいいものを食べさせています。

体が作られたら、その後多少食生活が変わっても耐えていけると思うのです。どんな人とでも楽しく食事ができる

大人になってもらえたらと思っています。

 

子どもの味覚は鋭いと常々思って、化学調味料の味に慣れさせないように気を配ってきました。

私の息子はお腹がすいていても、いまいちな味付けの時のごはんは「いらない」きっぱりと断られます。

 その息子が脇目も振らずに頂いて「おいしいね~。」を連発するAlyciaさんのランチ。

残さず一人前は食べてしまいます。

 

 今のところ、息子1歳10か月の大好物は「ママの醤油かけごはん!」だそうです。正直に生きているね、息子よ。

醤油は本醸造、地下天然水仕込み、原材料はオールオーガニックのものではありますが・・・。

いつか最初から最後までAlyciaさんのランチのように、息子を「う~ん!おいしい。」と唸らせる食事を作りたいものです。

 

 

 

カフェとしてもちろん利用出来ます。

友人と二人でチャイを頂いて

異口同音に「美味しい!」と

言ったことが。

 食事にいく時のお店の選択の仕方でよくカテゴリーで分けて選ぶことがあります。

ここは和食、中華、マクロビオティックのお店、など。

 でも永山さんが作る料理は、カテゴリーの枠に収まらずにいつも進化しています。

肉・魚・乳製品を使わないからと言って厳密にマクロビオティックでもない、薬膳の勉強をされたり生産者の方からヒントを頂いて作るメニューもある。すぐに取り入れて、永山さんの味になっています。

Alyciaさんに通うお客様はざっくりした「健康によさそうな感じのお店」ではなく、やっぱり永山さんの作る料理が食べたくて訪れるのだと思いました。それはここだけにしかない味です。

 

 

 

 

タルトも乳製品不使用です。

内容は日替わりで変わります。

旬のお楽しみです。

オーガニックマーケットの当日はお昼にお店を閉めて、出張してくださいます。

お店を訪れたお客様にもマーケットへの案内を出して下さるそうです。そして終了したらお店に戻られて開店されます。

生産者の方と料理される方お客様と繋がる、そういう大分になる目的に惜しみない協力を手を差し伸べてして下さる方にまた出会いました。

 

 

 

 

笑顔もとても温かく、柔らかい。

 

見つめられると、

なんだか照れるような。

ずっと話したくなる方です!