「人と人をむすぶ・人とまちをむすぶ・人と食をむすぶ」
むすびやさんはそういうお弁当やさんです。
おおいたオーガニックマーケットが目指すことを代表の阿部さんは、すでに佐伯の町で実践されています。
むすびやさんの店内は明るくて、木を多く使った温かい雰囲気です。
かわいらしい、ギンガムチェックの布ブロカントの雰囲気のある家具が使われていたり、ほっとする空気です。
阿部さんの明るくて温かな人柄を感じさせる場所で、次々とお客さんがやって来ます。
むすびやさんでは、地元の有機農家から食材を仕入れて、地元の天然塩を使い、調味料も吟味してきちんと作られたものを使用されています。しかも、動物性たんぱくが無くても美味しくて満足出来るお弁当も。
ショーケース。
売り切れています。
特に素敵だったのが、農産物を作る方との距離がとても近かったことです。
地元佐伯の有機農業の生産者グループ「佐伯有機むすび塾」さんの渡辺さんと佐藤さんと一緒にお話しを伺ったのですが「こういう野菜が欲しい」「地元の小麦を使ってパンが焼きたい」と阿部さんが希望すると「じゃあ、育ててみようか」と佐伯有機むすび塾さんのチャレンジが始まります。
また美味しい野菜があって、メニューを決めることもあるそうです。
むすびやさんの店内でも、水曜日に少しですがその日に採れた旬のお野菜を「旬菜マルシェ」として販売されています。無農薬・無化学肥料・除草剤不使用の佐伯有機むすび塾のメンバーの方のまごころのこもったお野菜だそうです。
お弁当を買いに来るお客さんのニーズをくみ取って、生産者の方に依頼して、美味しい料理に変えてまたお客さんに返す、ということを実践されています。
生産者の方のイラスト付きお野菜。
リアルな似顔絵です!
むすびやさんの、阿部さんのお弁当を初めて食べたのは、別府観光港ターミナルで行われた「なんでものみの市」です。
地元佐伯の安全なお野菜や調味料を使った、しかもお肉も卵も牛乳も使っていないお弁当。
口にして、思わず「おいしいな・・・」とつぶやいていました、柔らかく炊いたひじきと、大豆たんぱくを使ったからあげ。
香ばしくて、固くない玄米のおにぎり。アトピーだった息子もよく食べていました。
そして、「これは食べられない、これもダメ」と一切考える必要無く、息子に安心して食べさせられることに心からほっとしたのを覚えています。それがとても嬉しかったし、心からありがたい・・・と思いました。
むすびやさんのカレーも飛ぶように売れていました。そしてそこで売られているパンを作っている方、
お弁当を売っている方全員、肌がものすごく綺麗!なことに驚きました。
第1回目のオーガニックマーケットのチラシをお渡しすると、とても喜んで下さって「こういうことを待っていました」
と言って下さいました。すぐに佐伯のお店にも掲示して下さったそうです。
カウンタ―周辺です。
本のラインナップも楽しいです。
立ち読みしたい・・・。
安全な食材や調味料だけを使って調理されたものが食べたい。特にお弁当となるとそれを町の中で見つけるのは至難の業です。
一人暮らしで疲れ果てて帰って来た時に、薬品のにおいのするお弁当は食べたくないし、化学調味料で舌がしびれるものは欲しくない。きちんと作られたものが当たり前に手に入る世の中になっていてほしい。いつも思うことです。
食品添加物や化学調味料や農産物の残留農薬や化学肥料に体が反応して悲鳴をあげている、そんな状態が長く続いた友人がいました。社会人になってストレスが引き金で重度のアトピーを発症し4年間も寝たきりだったそうです。とにかく体の毒素を出しきるしかない、自分で食事を作ることもままない事情もあって、安全な食材と調味料だけを使った料理を出してくるような食べ物やさんはないか、と探し回ったそうです。
その甲斐あって、今は完治して何でも食べられますが時折、彼女の事を思い出します。
きっと、今でも探している方は多いと思っています。大分市内でもこれに応えられるレストランが増えて来ました。
そして佐伯では阿部さんが頑張って、しかも楽しんでそういうお弁当を作られています。
お店のポリシーやコンセプト。
分かり易い言葉で丁寧に書かれています。
佐伯の子育てサークルの代表をされている時に知り合ったお母様方が「食」に対する関心の高い方がたまたま多かったらしく、それで自然に阿部さんも勉強するようになったそうです。
「私は主婦だから試行錯誤しながらやって来てまだ途中です。」「本当にやれることしかやれなくて・・・」
と言われていますが、安全な食を求めている人は自然に集まってくるような場所を築いています。
阿部さんのお弁当は動物性たんぱくが入っていません。肉も卵も魚も牛乳も使っていません。
地元の安全に作られたものを使い、栄養を捨てないように野菜は皮も大事に使い、調味料も吟味する。
マクロビオテックを学んだ方が作っているのかな、と思いました。
マクロビオティックを妙な方向に理解すると、返って健康を損ねる可能性があるのでは、と私個人は思っています。
物事全てには陰陽があって、食べ物もその性質があるので、自分の今の状態を見ながら陰と陽をバランスよく取り込んで「中庸」なこころとからだを目指しましょう、というのがマクロビオティックの考え方かな、と解釈しているのですが、最初の提唱者から離れていくうちに「これは体を冷やすから食べてはだめ」「これは食べてもいい」と
極端な指導や方法が始まったような気がしています。
私も関西にいた時、料理教室に行ったのですが「○○大先生のお誕生日会を某ホテルでするので参加して下さい」
と言われ、強烈な違和感を感じて教室に行かないことを決めました。
米粉のパンのサンドイッチ。
ポテトサラダをサンド。マヨネーズも
植物性のみです。
パンはよつばの天使さんが
作られています。
佐伯のみなさん、恵まれています。
「真面目」なマクロビオテックの方だったらどうしよう、私のマクロビオティックの大雑把な解釈について怒られるかも・・・とちょっとびくびくしながら阿部さんにお聞きしたのですが、
「まず、食事は美味しく、楽しくなければ!」と明るく返事が返って来ました。
マクロビオティックはどんな師匠を持つか、も大事だと。
今、阿部さんが学んでいるシェフは「皆さんに知恵をもらいたい。みんなで考えて行きましょう。」と概念を捨ててこころで感じることを大切にする授業をされるそうです。その先生に出会って初めて料理はこころなんだと。栄養があって、「美味しい」と「楽しい」「綺麗」でまごころのこもった料理を大事にしていけばいいんだ、と再認識されたそうです。
阿部さんのお弁当は、卵や肉を使えないから仕方なく「もどき」で対応するのではなく、丁寧に育てられた無農薬・無化学肥料の野菜が「おいしい」から主役を堂々と張っている感じです。
「○○しなければならない」を追求するあまり、さみしい感じの料理になることもある「健康的な食事」。
そういうところから離れて、阿部さんの作るお弁当は、美味しくて心も体も満たされるものがあります。
安心して使える調味料の紹介もされています。
メッセージがあるんです!
調味料のこと。
紹介したい逸品がならぶコーナーです。
むすびやさんは畑と食べる人、作る人が本当に近い関係になっている、地域の理想の形をすでに作り上げています。
その上、地元の丁寧に作られた「塩」を使うことで海とも繋がっている。
地産地消と簡単に言いますが実践出来るのは簡単なことではないと思います。
「やれることしかやれない」。
阿部さんのされていることは私からみるとものすごく、進んだ、未来の理想形です。
そしてそれが「やれている」のは本当に自分の役割だと感じて努力をされているのだと思いました。
「生産者の方をとても尊敬しています。」そういう阿部さんと生産者の方の信頼関係がある「濃い」お店です。
旬菜マルシェも将来は、毎日でも旬の有機野菜がそろうお店にしたいとの夢を持っているそうです。
おおいたオーガニックマーケットはまだ月に1回です。目標は週に1回なのに、本当に先を行かれています。
そんな「できるんだ!」という見本が県内にあることが本当に素敵なことだと思います。
大分市にももっとそういうお店がどんどん増えたらいいな、と思います。
第一に、「食事はたのしく食べるもの」「毎日たべたもので体は作られる」「家族を健康にする食卓を考えたい」
そう考えながら作っている方のお弁当、食べてみませんか。
むすびや
佐伯市池船町32-19
■ からだにやさしい玄米弁当の日 ■旬菜 マルシェの日(水曜日のみ)
水・金(祝・祭日を除く)
11:00~売り切れまで。
0972-28-7707(予約可)